2008年02月19日

李登輝博士の講演を思い出して。 この記事をはてなブックマークに登録

最近「武士道」を読んでいて、
機会があればそれについてもブログで書いていきたい
と思うのですが、武士道に関連して思い出すことがあります。


それは去年の6月6日に国際教養大学で行われた
李登輝前台湾総統の講演会です。

当時大学二年生であった僕はグローバル研究概論という
授業を取っていたのですが、その一環として李氏の講演会が
盛り込まれたのです。

大学キャンパスから少し離れた場所にあるプラザクリプトンと言う所で
実施されるということで緊張しつつもわくわくして会場へと向かいました。

というのも李登輝前台湾総統が直々に日本の、しかもこの秋田の
山奥にある(?)大学へ来校されるというのはとても信じがたいことでした。
奥の細道行脚と言われたように、奥の細道で詠われた名勝を回り、
秋田までやってきたということです。秋田には象潟(きさかた)という
名勝がありますが、残念ながら地震で跡形も無くなってしまっているそうです。
(象潟や雨に西施がねぶの花)

グローバル研究概論は中嶋学長が前半3分の1を取り持っていたので、
学長の講義の一環としての講演会という位置づけでした。自らの授業に
かの著名な李氏を招聘出来るということに驚きを隠せませんでしたが、
同時になんて幸運なんだとも思いました。
この学期にグローバル研究概論を取っている学生以外は希望者による
抽選で行けるかどうかが決まったはずだし、あらかじめ一般受講者の
応募もされたようですが、それをあっという間に高倍率の抽選になった
と聞いています。

会場へは余裕を持って30分前に行ったのですが、
学生専用席が前方を占めており、学長の配慮なのだろうかと思いつつ、
前列中央に着席しました。後方にはマスコミが陣取っていましたが、
それほど大々的なものではありませんでした。
今思うと、これも中国側への配慮ということなのかもしれません。
しかし翌日の全国紙では小スペースながらしっかりと取り上げられていました。

会場はすぐに満席になり、隣の友達と興奮しながら話を交わしつつ、
講演会が始まりました。

学長による授業が始まり、英語で李登輝博士についての説明が
なされました。すぐに李氏が拍手により迎えられました。
ご家族の方も一緒に来られたのでした。

その後学長が李氏の来校への感謝の意を表明して、
ヴァイオリンの演奏が行われました。
演奏は大学の特任准教授である渡辺玲子先生で、曲名はバッハのシャコンヌ。(※)
グローバル研究概論と同時に、先生による芸術論の授業も取っていたので
先生とは面識がありました。国際的なヴァイオリニストであり、
学長と同じくスズキ・メソードで学んでおられるので、お二人は以前から
親交があったようです。


演奏が終わるとすぐに講演が始まりました。
約一時間半にわたる、力強いしっかりとした日本語での講演でした。
講演のために自著である『「武士道」解題』を聴講者へと配布して
くださり、それも武士道とともに今手元にあります。

丁度講演会を録音しておいたのをこちらにきて見つけました。
今度聴いてみて、また感想を書けたらなと思います。

当時の拙い日記がありますのでそちらも参考にしていただきたいです。(旧ブログより)
http://blog.goo.ne.jp/jack_all_right/d/20070606



実はこれだけでは講演会回想は少し不十分で、当時の李氏来日
に関する中国の反応についても触れなければなりません。

台湾ですでに民間人になっているとは言え、やはり政治的な
影響力はかなり大きいため、来日に関して中国から注文が来たのです。
以前より来日を希望されていた李氏なのですが、中国の反応を懸念してか
なかなか実現せず、6月にやっとその念願が叶った形となりました。

これに関して面白い記事を見つけたのですが、
良い機会なので紹介します。
李登輝氏訪日めぐり日中神経戦

今年6月にドイツで開催された主要国首脳会議(ハイリゲンダム・サミット)での安倍晋三首相(当時)と中国の胡錦濤国家主席との首脳会談をめぐり、中国側がその直前の台湾の李登輝前総統の訪日を理由に会談を拒否していたことが27日、複数の関係者の証言で分かった。しかし、日本側が譲らず、中国側が全面的に折れるかたちで決着、会談は行われた。こうした安倍政権の“遺産”をどう継承できるかが、今後の対中外交の焦点になりそうだ。


ここで実は安倍元首相の毅然とした態度があったために
講演会が実現していたのかもしれないのです。詳しい部分を更に
以下引用していきます。
 関係者によると、サミット開催に合わせた日中首脳会談は、日中間の戦略的互恵関係の促進や北朝鮮問題などを話し合うため、早い段階で日本側が呼びかけ、中国も応じる構えだった。

 ところが、中国側は、5月末になって会談中止を通告してきた。理由は、5月30日の李氏来日だ。中国政府は、28日の日中外相会談で楊潔●(=簾の广を厂に、兼を虎に)外相が麻生太郎外相(当時)に李氏訪日への懸念を表明していた。それにもかかわらず、日本側が李氏の入国に何の制限も加えなかったことを問題視したのだ。

 これに対し、日本政府は、「サミット正式参加国は日本だ。招待国の中国と無理して会談することはない」(当時の官邸筋)と会談の提案そのものを引っ込めた。

 これにあわてたのが中国だった。すぐに「李氏は日本で講演を予定している。これを(マスコミなどに)完全クローズにするなら安倍氏と会談してもいい」とハードルを下げてきた。

 それでも日本側が「会談開催に李氏訪日の件を絡めるならば、会う必要はない」という安倍氏の考えを伝えたところ、中国側は6月3日になって「条件はつけない。ぜひ会談を行いたい」と全面的に譲歩。8日の首脳会談が実現した。


遺産と言っても今のイメージではあまり良いものではありませんので、
使いたくはありませんが、少なくとも負の遺産でないことは確かです。



※バッハ、シャコンヌ。YouTubeのビデオリンクを張っておきます。(参照


posted by Jack at 09:55 | Comment(3) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーを含むはてなブックマーク |

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